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No.028

パートナーシップによる新市民会館づくり、着々進行中!

八ヶ岳の麓、リゾート地として知られる蓼科高原や日本最古の国宝・土偶「縄文のビーナス」を擁する高原都市・長野県茅野市では、平成17年の完成を目指して新市民会館建設の計画が進められています。現市民会館の老朽化に伴い計画された新市民会館は「市民の生涯学習、地域文化創造の交流拠点」として位置づけられ、中心市街地活性化の一翼を担う施設として大きな期待が寄せられています。

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突然ですが、筆者自身の郷里は茅野市です。しかし現市民会館には数えるほどしか足を運んだことがなく、またそこで何を観、何を聴いたのかは殆ど記憶にありません。(おそらく多くの市民の方も私と同様で、記憶にあるとすれば空調が効かず居心地の悪い思いをした成人式なのではないでしょうか。)つまりそこは、芸術・文化に触れるための場としては機能していない空間でした。それもそのはず。現市民会館は自主事業を行わず、貸館のみという姿勢を開館以来守り抜いていたのです。もともと茅野市では公民館活動が活発に行われていました。しかし、公民館を拠点に文化活動に取り組む市民にとって、市民会館は決して身近な発表の場ではありませんでした。現市民会館には設備のみならず、発表活動のバックアップをしてくれるスタッフも欠けていたのです。文化活動に取り組む市民の間では、発表だけではなく創造の場としての市民会館を望む声が日に日に高まっていきました。そして、市民有志の「みんながもっと楽しくなる市民会館がほしい!」という願いと、茅野市が実践する「パートナーシップのまちづくり」の理念とが理想的な形で出会い
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、「茅野方式」の市民会館づくりがスタートしたのです。

まず、市民有志による「茅野市の地域文化を創る会」によって平成11年に基本構想素案がまとめられ、各方面への意見の聴取を経て基本構想として策定されました。また、設計にも市民の提案を十分活かすことが出来るよう、設計者の選定にはプロポーザル方式を採用。プロポーザルは平成13年1月に一般公開で行われ、市民の見守る中、古谷誠章氏(スタジオナスカ)が設計者に選ばれました。(シアターワークショップではプロポーザル案作成時より劇場コンサルタントの立場で劇場ハードからソフトまでの計画づくりをお手伝いさせて頂いています。)平成13年度は市民による「基本計画策定委員会」を中心に設計者を交えて基本計画が策定され、基本設計に反映されました。14年度からは「管理運営計画策定委員会」に形を変え、管理運営基本計画の検討を進めています。

こうして、市民・民間と行政が一体となり「パートナーシップのまちづくり」を実現する形で計画は順調に進められていますが、実は不安な点もあります。その内のひとつは、計画がなかなか市民に浸透していないこと。これまでも市広報などを通じて計画を市民に伝える活動を行ってきましたが、理解を得られた手応えがあまりなく、市民の計画への誤解などが懸念されていました。

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新市民会館の計画をどのように広く市民に伝えるか。この大きな課題に取り組まなければならなくなったのと時期を同じくして、東京では設計者の古谷氏の個展の準備が進められていました。乃木坂にあるギャラリー間で平成14年5月18日から平成14年7月19日にかけて開催されたこの個展では、新茅野市民会館の1/50の模型が展示されました。長辺が4.8mもある巨大な模型です。市民会館が実際出来たらどうなるのか、それを確かめるために茅野からも計画に関わるメンバー一同、東京まで足を運びました。模型は基本計画策定以前に製作されたもので、配置等が若干異なる点もありましたが、完成後のイメージを伝えるには十分なものでした。この模型を市民みんなに見せられたら、そんな関係者の願いが叶い、幸運にもこの模型を個展の終了後、茅野市庁舎に展示できる運びとなりました。8月下旬頃には茅野市庁舎1階に登場する予定です。展示後は模型を見た市民の感想に耳を傾けながら、今後の計画が進められます。そうして市民会館が完成した暁には、きっと市民の間でこんな会話が交わされることでしょう。

「おめさん、新しく出来た市民会館にはへぇ行ってみたけぇ?」
(対訳:「あなた、新しく出来た市民会館にはもう行ってみた?」)
「あんなおしゃな建物、ワシゃあ入れてもらえねぇら?」
(対訳:「あんなにおしゃれな建物、私なんか入れてもらえないんじゃない?」)
「そんなこたぁないわね。今日もなんだかおもしれぇことやるらしいで、おめさんも一緒に行ってみるじゃぁ」
(対訳:「そんなことないよ。今日もなんだか面白いことやるらしいから、あなたも一緒に行ってみましょうよ」)
「そうけぇ。そいじゃぁ行ってみるけぇ」
(対訳:「そうねぇ。それじゃ、行ってみようかしら」)
「完成が待ち遠しくなるような市民会館、行くだけでウキウキするような市民会館がほしい!」私たちは、そんな夢を計画に携わるみんなと一緒に叶えていきます。


写真提供:スタジオナスカ
茅野市ホームページ 
http://www.city.chino.nagano.jp/
(株式会社シアターワークショップ 小池浩子)

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No.029


企業がつくるホールとは!? その2

前回民間企業のホールについてお話ししましたが、その後わずか半年の間に民間ホールには色々な動きがありました。
東京グローブ座、扇町ミュージアムスクエア、近鉄劇場の相次ぐ閉館。大阪ではさらにOSK(大阪松竹歌劇団)の解散、宝塚ファミリーランド・阪神パークの閉館などエンターテインメント業界では寂しい状況が続きます。
芸術文化、娯楽というものは、人々が心豊かに生活を送るため、子供達が健全に成長していく環境をつくるために必要不可欠な要素であり、このような状況は非常に残念です。 昨年、文化芸術振興基本法が制定され、文化庁は美術館や劇場への助成を始めたようですが、それは民間の文化施設にも適用されるとのことで、ぜひとも活路が見いだせる良い事例が生まれてくることを期待してやみません。(何だか条件的には厳しそうなのですが・・)

前回、民間企業ホールの設立主旨が「文化的事象ではなく、本業に則した活用や地域社会との繋がりを主とするような、ある意味では堅実なものにシフトしつつある」と記述しましたが、この厳しい経済状況の中、民間企業ホールの存在意義はやはり「企業」と「社会・地域」とを結ぶところにあるのではないでしょうか。本業に則したというのは、例えば新商品発表会やプロモーションなどのビジネスに直結したイベントから波及したもの、商品展示会に小規模な演奏会やパフォーマンスを行うといったことです。また企業の取り扱う商品は人々の生活に密着したものが大半です。化粧品会社や服飾会社→女性美→ライフスタイル→アート、飲料会社→飲みながら楽しむ場→音楽、といったように商品と文化を結びつける要素はたくさんあります。

企業にとってホールというのはビジネス展開の場であり、社会と密接に繋がる場でもあります。どうか厳しい状況下でも活き続けますように。
がんばれ!民間企業ホール!!!

(株式会社シアターワークショップ 沖原美幸)

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