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No.030

PFIって何?〜入門編〜

最近、「○○市立文化センター、PFIを導入」というような新聞記事を目にすることが増えてきました。私達も現在、「杉並公会堂改築並びに維持管理及び運営事業」(東京都杉並区)と「(仮称)国分寺市立市民文化会館整備運営事業」(東京都国分寺市)の2つの物件で、応募者グループの一員として参加しています。杉並公会堂はまもなく入札、国分寺は一次審査が終わって6グループから3グループに絞られ、まもなく二次審査を迎えます。
導入の動きは活発化していますが、PFIは生まれてから10年しか経っていない手法なのでまだまだ調査・研究が必要です。私達も研究中ではありますが、今回は「PFIって何?」という方のために入門編をお送りします。
 PFIとは

PFI(Private Finance Initiative)は民間が自らの資本やノウハウを用いて公共施設などの「設計」、「建設」、「維持管理・運営」を主導し、低コストで最良のサービスを提供することをめざす考え方です。民間事業者はおおむね複数でSPC(Special Purpose Company)という事業主体をつくって参加します。自治体は「サービスの購入者」として関わります。
PFIの対象となる施設は劇場、ホールのほかでは道路、橋、病院、学校、図書館、駐車場などがあります。


 VFM

VFM(Value For Money)とは国民の税金の利用価値を最も高めることを基本とする考え方で、PFI導入にあたって最重視されることのひとつです。
自治体は従来型公共サービスでのコストを積算した指標(PSC:Public Sector Comparator)とPFI導入での総費用(LCC:Life Cycle Cost)を計算・比較し、コストが低いだけでなく、コストに対してより高い効果が得られる方を採用することになります。


 プロジェクトファイナンス

PFI導入にあたって欠かせない資金調達手法です。
従来のコーポレートファイナンスでは一つの事業者が不動産などを担保に借り入れますが、プロジェクトファイナンスでは一つのプロジェクトに対し、その収益を担保に借り入れることができます。この手法を導入することで資金調達におけるリスクを一つの事業者が背負ってしまうことを避けられます。
ただ、事業の収益にのみ依存するこの手法は事業の採算性が最重要視されます。SPCはリスクをそれぞれ最適に管理できる事業者へと分担することで全体としてのリスクをコントロールし、資金の出入を徹底管理することで、リスクに対するリターンをより多く得る努力をしなければなりません。


 PFIのメリット

民間による効率的なサービスを提供できるので、施設を設置しようとしている自治体にとってはコスト削減につながります。また民間にとっては新たな事業機会をもたらし、住民は最良のサービスを受けることができます。また、PFIにおいて自治体と民間は「サービスの購入者」と「サービスの提供者」という関係になり、官民のさらなる強い結びつきも期待されます。


 BOTとBTO

PFIの推進形態にはBOT(Build Operate Transfer)、BTO(Build Transfer Operate)、BOO(Build Own Operate)、BOS(Build Operate Sell)、BLT(Build Lease Transfer)などといった方式があります。ここでは主だった方式であるBOTとBTOをご紹介します。
BOTは民間が資金調達して施設を「建設(Build)」し、一定期間(10年〜30年)「運営(Operate)」を行って資金回収をした後、自治体に施設を「移管(Transfer)」する方法です。BTOは民間が資金調達して施設を「建設(Build)」し、自治体に「移管(Transfer)」した後に、その施設の運営権(Operate)を得る方法です。
民間側からみると、BOTでは契約期間でまずは原資を回収しないことにはその事業の収益が出ないことに対し、BTOでは建設後に自治体に移管することで、運営の収入を事業の収益とすることができます。(運営の収入については協定によって自治体と分配するように規定することもあります。)


 PFIのプロセス

1. 事業の発案
自治体からだけでなく、民間からの発案も含みます。

2. 実施方針の策定、公開
自治体はこの時点で民間に委ねる範囲や要求するサービスの水準、リスク分担について具体的な内容を明確化します。

3. 特定事業の評価・選定、公表
PFIを採用することにより効率的、効果的に事業が推進されるかどうかを評価します。
VFMについても検討し、評価します。そしてPFIの採用の可否について選定結果を公表します。

4. 民間事業者の募集、評価・選定、公表
自治体には公正な情報の提供、評価基準の明確化、選定結果の公表や手続きにおける透明性が求められます。民間は実施方針をもとに事業の可能性を検討し、応募するかどうかを決め、具体的な提案書づくりに入ります。
従来の入札では自治体からの具体的な仕様提示に対して提案が行われます。しかしPFIの入札では自治体はサービスの水準しか規定しません。民間は「設計」、「建設」、「維持管理・運営」という数十年にわたる長期事業全てにおいて、SPC内の様々な業種の企業間で意見調整をして自治体の求めるサービス水準を適える内容を提案しなければなりません。そのため、自治体は従来型より募集期間を長く設ける必要があります。

5. 協定などの締結等
選定した民間事業者と協定を規定・締結し、それを公表します。

6. 事業の実施
協定に従って事業を実施します。国・自治体は提供されるサービスの水準を監視します。

7. 事業の終了
契約期間が終了したら、協定に従って土地の明け渡しなどの終了手続を行います。

ざっと概論をあげてはみましたが、ここまで読まれてもよくわからない方は多いと思います。関連書籍、ホームページが充実していますので、興味を抱かれた方は是非一度調べてみてください。

(株式会社シアターサポート 山下貴子)

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