田主丸町は福岡から車で1時間程度、筑後平野の中心部久留米市の東方、筑後川の中流浮羽郡の西端部に位置しており、南は耳納連山で八女郡と、北は筑後川で甘木市と区画され、東は浮羽郡吉井町、西は久留米市と接しています。
人口は約21,000人で、特産としては300年の歴史をもち、全国でも1・2を競う植木・苗木の生産地として有名です。
そのほかにぶどうやいちご、ゴマ焼酎の紅乙女などがあります。緑の市(10月下旬〜11月上旬)田主丸耳納の市(11月上旬)の時期には毎年10万人を超える県内外からのお客さんで賑わうイベントも行われています。
また古くから河童の伝説があり、いたるところで河童がお出迎えしてくれます。そんな緑豊かな田主丸町に複合文化施設『そよ風ホール』が平成16年4月1日(木)にオープンしました。
施設は3つのゾーンから構成されています。
| ★ホールゾーン |
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文化ホール・町民ギャラリー・リハーサル室で構成され、文化ホールは町民主体とし、コンサート、演劇公演などにも十分対応可能なプロセニアム形式のホールです。客席は、バルコニー席を設けることによって一体感を高め、木質系の仕上げで暖かい雰囲気となっています。客席数は車椅子席を含め498席です。
| ★生涯学習ゾーン |
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多目的研修室、研修室1・2(可動間仕切りにより2室として利用可能)、研修室3(パソコン研修に利用)、工作室、調理実習室、
和室があり利用者が他の活動に触れ文化に対する視野を広げる機会を生み出しやすい計画とするため、これらの部屋が中庭(学びの庭)を取り囲むように配置しています。
| ★図書館ゾーン |
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閲覧室、ビデオなどが鑑賞できるAVコーナー、児童閲覧コーナー、畳のくつろぎコーナーなどそれぞれの目的に合った最適な環境を提供するため、賑やかな部分と静かな部分を分けたゾーニングとなっいてます。天井も高い部分を設けて開放感のある空間となっています。
オープニング特別記念コンサートとして4月6日に梯剛之さんのピアノコンサートが開催され、満席の観客からは大きな拍手がいつまでも続きました。また、客席案内もボランティアスタッフの皆さんが協力し、顔見知りのお客さんに和やかな雰囲気で会場をご案内していました。何よりも観客に小・中学校の児童たちが多く来場していたのが印象的で、これからの『そよ風ホール』とボランティアスタッフの皆さんの活動が期待されます。
(株式会社シアターワークショップ 松木優)
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松本駅から通りを真直ぐ10分程歩いてゆくと、何やら不思議なカタチの建物が見えてきました。一般的に「市民会館」ときくと四角で硬いイメージが浮かんでしまいがちですが、まつもと市民芸術館は軽やかで、建物のラインは弦楽器を思わせました。館内は、壁に散りばめられた無数の水泡の形をしたガラスブロックから淡い光が差しこんできました。
| まつもと市民芸術館施設概要 |
主ホール(最大客席数1,800席)、小ホール(客席数240席)、楽屋(大:4室、中:4室、小12室)、大リハーサル室(384m2)、中リハーサル室(185m2)、造形スタジオ、スタジオ、会議室、事務室、レストラン、屋上庭園
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施設は主ホールの舞台を敷地の中央に配し、フライタワーが周囲に圧迫感を与えないように設計されていました。ホワイエは主ホールを包囲するように配置され、観客はホワイエをぐるりとまわって主ホールへ向かいます。ホワイエはホールへの単なる移動空間や観客の社交の場のみではなく、開演までの気持ちを高揚させ、終演後はその余韻を楽しむ空間でもあるということを考慮されたのではないでしょうか。非日常から日常への行き来があっけなく行われるのではなく、せっかく劇場にきたのだから非日常と日常の間の時間も満喫したいものです。
主ホールの舞台はプロセニアム形式で、客席は馬蹄形(最大1,800席)となっており、演劇、オペラ、ミュージカル、コンサート、舞踊、バレエ、コンベンション等に使用することを目的としています。主ホールは天井を昇降させることで客席数が変化します。日常においてテレビや映画を見る際、私達見る側と画面とは一対一の関係をなします。しかし非日常的である劇場では、他の観客と一つの空間で同じ舞台を観るだけでなく、舞台を観ている観客をみたり、また自分をみせることによって舞台に参加しているという一体感が観客にも生まれるのではないかと思います。バロック劇場のような馬蹄形の客席を持つ劇場の特徴は舞台の見え方のみならず、そこにきた観客と同じ空間を楽しみ、観客と観客の関係を作ることが出来ることだといえます。
さらに、奥舞台に収納された移動観覧席(360席)を引き出すことによって実験劇場的な使い方も可能な空間となっています。富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)では舞台上に仮設客席を設け、舞台にもう一つ劇場をつくったという先例があります。舞台上にも様々な可能性が眠っていて、必ずしも舞台の使い方はこうでなければならないという制限はないと感じました。
舞台はミュンヘンの州立オペラハウスと同じ田の字型四面舞台となっていて、日本では始めての形式です。敷地形状やサイトウキネンフェスティバルでのオペラ上演という設計条件から、この田の字型四面舞台が選択されのでしょう。新国立劇場などのT字型に比べると、奥舞台の横にある舞台面での作業性が高く、搬出入時の作業場や組立場としても有効ではないかと思います。特別に大掛かりな催し物以外の通常の利用でも、田の字型の舞台は使い易いのだろうと思いました。
一方、小ホールは固定席(240席)でワンボックスタイプとなっており、演劇や音楽、パフォーマンス等での利用を目的としています。ホール内部は舞台上部から自然光が入る構造となっています。ホール内に自然光を取り入れることで、メンテナンスや仕込みが明るい状態で行うことができるというメリットがあると言われています。但し、自然光を演出に利用する場合は天候に左右されやすく、舞台照明との兼ね合いをどのようにされるのか興味を抱きました。しかし、せっかくこのように自然光が入ってくるのですから、この環境を上手く活用した舞台演出が行われることを期待します。
まつもと市民芸術館は使い方次第でユニークな演出が可能な自由度のあるホールとして興味をそそります。運営面や市民の創造活動等においても、まつもと市民芸術館ならではの特有な部分を持ち合わせた素敵な劇場になってほしいと思います。
まつもと市民芸術館のHPはこちら。
【参考文献】
- 清水裕之著:劇場の構図、鹿島出版会
- ロデリック・ハム著、劇場技術研究会訳:劇場 舞台芸術のための建築計画と設計、鹿島出版会
- GA JAPAN 60、62、64、65(松本市市民会館(仮称)現場レポート第1回〜第4回)
- GA JAPAN 61〜65(本杉省三著、モダン・シアター・ストーリー第1幕〜第5幕)
(株式会社シアターワークショップ 林恵子)
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