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No.072

原町市民文化会館″ゆめはっと″で
ジュニア・ウィンド・オーケストラが発足!

外観
 平成16年3月に開館した福島県原町市の原町市民文化会館″ゆめはっと″では、当初の1年間をオープニングシリーズ期間と位置付け、仙台フィルハーモニー管弦楽団と地域の合唱団による第九演奏会(柿落とし公演)、NHK交響楽団公演、井上ひさし講演会、こまつ座公演、南こうせつコンサートなど、既に様々な自主事業を行ってきています。また、貸館での発表会利用なども次々と入り、情報コーナーは学生の人たちの溜まり場となり(管理上はいろいろ問題もあるようですが)、ギャラリーでも様々な展示が日常的に行われ、″ゆめはっと″は早くも多くの市民が足を運ぶ憩いの場として定着してきているようです。

オーケストラへの参加を呼びかけるポスター
 その″ゆめはっと″で意欲的なプロジェクトが進行中です。「Seed project − ひょうげんの芽吹き−」と題して行われる自主事業の皮切りとして、ジュニア・ウインド・オーケストラが9月25日に結成されました。参加できるのは小学校高学年以上の学生。いわゆる管弦楽のジュニア・オーケストラは既に全国各地にありますが、ウインド・オーケストラとなるとまだ他にはなかなか例がないのではないでしょうか。
 初年度の今年は、シエナ・ウインド・オーケストラなど国内の主要なウインド・オーケストラに所属する若手演奏家や地域の指導者などが共同で毎回の練習の指導にあたり、12月5日の演奏会を目指します。また、この演奏会からの約1週間を吹奏楽フェスティバル期間として、アンサンブル・コンテストや佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会も開催されます。

 ″ゆめはっと″は、名誉館長を世界的に高名なピアニスト舘野泉さんに依頼し、その他にもジャンルごとの事業アドバイザーをご縁があるところから依頼していこうとしていますが、更にこの吹奏楽のプロジェクトについては音楽監督をアルフレッド・リード氏が引き受けてくださったとのことです(世界中の吹奏楽関係者の間で神様のような存在!)。演奏会ではもちろんリード氏がステージに登場しますし、リード氏には演奏会で披露されるファンファーレの作曲も委嘱しているとのことです。ジュニア・ウインド・オーケストラの演奏会の度に繰り返し演奏されるだけでなく、地域の吹奏楽愛好家はもとより広く市民が親しみ口ずさむ楽曲になれば、と夢が膨らみます。

 このプロジェクトは (財)地域創造による「地域の芸術文化環境づくり支援事業」の中の「創造プログラム」に認定され支援を受けることも決まっています。レジデント・オーケストラを運営し活動を支えていくには、練習日程の調整、練習場所・指導者・特殊楽器の手配、参加者の管理、楽譜の管理など、事務局の大変な労力と少なからぬ予算を伴います。また、会館の自主事業として吹奏楽を取り上げる場合は、学校の部活動との兼ね合いが全国のどこの街でも課題で、原町でもやはりそのあたりの難しさはあるようですが、両者が協力し合って青少年が豊かな音楽体験ができる良質なプログラムを継続・発展させ、世代を越えた音楽の輪が街に広がることを願ってやみません。
お問い合わせ先:
(財)原町市文化振興事業団・事業係 電話0244-25-2763

原町市民文化会館″ゆめはっと″ホームページ:
http://www.yumehat.or.jp/

(株式会社シアターワークショップ 和田知彦)


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No.073


武蔵野市立吉祥寺シアターの施設計画
来年、初夏に開館する吉祥寺シアター、演劇やダンス等の舞台芸術に特化した小劇場です。工事現場ではいよいよ建物が姿を現してきました。そこで今回は吉祥寺シアターの施設、そして舞台に迫ります。


■施設コンセプト

吉祥寺シアターの基本計画では施設コンセプトが4つ掲げられています。このコンセプトと施設の内容について述べたいと思います。


1.舞台芸術に特化した施設機能

舞台芸術の上演を目的とした吉祥寺シアターは、200席程度のブラックボックス形状の劇場です。舞台は、間口7間(12.6m)×奥行4間(7.2m)の広さを基本とし舞台からキャットウォーク下までの高さは約7mあります。舞台の奥行を6間(10.8m)に広げることも可能で、更に客席段床を解体することで、最大7間(12.6m)×8間(14.4m)の平土間空間になります。この空間全体を舞台として利用することも可能です。


2.限られた空間を最大限に活用

吉祥寺シアターの敷地は、学校の体育館程度の広さです(876平米)。高さも10mに抑えられた小さな建物の中に、舞台、客席、楽屋、ロビー、ホワイエ、カフェ、事務室、多用途室、稽古場(舞台とほぼ同規模)等が詰まっています。また、舞台客席の周りには1階から3階まで、からくり回廊と呼ばれる空間が四周を囲い、舞台袖、倉庫、楽屋スペース、通路等の様々な用途として利用できます。

3.施設利用者の使い勝手への配慮

吉祥寺シアターでは、上演団体や観客にとって使い勝手の良い施設づくりを目指しています。舞台に側近な楽屋を始め、シャワー室や楽屋トイレ、楽屋ロビー利用できる搬入スペース等、出演者にとって快適な環境を設けています。また稽古場が併設されており、本番を想定した稽古利用が可能で、吉祥寺シアターを創造の場として利用することができます。
舞台設備に関して、床は束立式で900mm×1800mmのサイズで取外し、レベルを変えることが可能です。舞台と客席の上には、作業性に優れたキャットウォークが6つあり、その前後には電動バトンが配され、美術や照明が吊り込めます。その他、バルコニーの手摺、キャットウォーク下等、あらゆる場所に道具や照明の設置が可能です。このように吉祥寺シアターでは、様々な演出に対応できるよう最大限の配慮がなされています。
観客への使い勝手は、舞台がよく見える段床の客席をはじめ、ロビーやホワイエ、都市回廊と呼ばれる外部の回廊空間を利用してゆとりのある空間を提供し、カフェの飲食サービスにより、観劇の楽しみを更に魅力的に演出します。

4.芸術文化活動の受発信を通じた交流の創出

吉祥寺シアターは質の高い舞台芸術を上演に通し、周辺地域や吉祥寺、更には広域に対して、芸術文化活動の発信を目指しています。そのためには、街に溶け込み、周囲の人々から親しまれ、街の魅力になることが吉祥寺シアターに期待されています。運営面で芸術文化の積極的なアウトリーチ活動を展開するとともに、シアターのカフェを中心として日常的な人々の憩いの場になれるようロビーや都市回廊等を活用していきます。都市回廊に象徴される外観は、そのような吉祥寺シアターの街に対する豊かな表情を表していきます。

いよいよ来年のオープンです。開館記念事業等も楽しみになってきました。

【関連記事】
vol.31 「劇場・ホールの設計者選定の新しいスタンダード」
vol.47 「武蔵野市吉祥寺シアター(仮称)平成17年度開館! 」
vol.48 「吉祥寺シアター(仮称)支配人公募はじまる!」

(株式会社シアターワークショップ 小林徹也)

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