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クッペルホリゾントについて
〜さらに特殊な舞台特殊設備〜
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まもなく改修が完了する早稲田大学の大隈講堂は、クッペルホリゾントという、非常に特殊な舞台特殊設備を持つ数少ない劇場・ホールです。そのクッペルホリゾントとはどのようなものでしょうか。
■ホリゾントの機能と種類
ホリゾントの機能は、屋外場面の背景に天空等の効果を与えること、舞台後方、側方及び上方(特にクッペルホリゾントの場合)をマスクすること、プロジェクター等によって映像投影など機能があります。
またホリゾントの種類は3つに大別できます。一般的なホリゾントは平面のもので、帆布やビニール系の布地を利用します。現代の劇場・ホールのホリゾントといえば殆どがこの形式です。舞台に向かって正面のみに設置されるので、一文字幕(ボーダー)や袖幕(ウィング)等を多用し舞台上部、舞台側部の見切りを創る必要があります。次に、ルントホリゾントは垂直半円筒型のものです。舞台に向かっての正面と側面の合せて3面を曲面で覆う形となり、高さ方向に関しては、一文字幕で見切りを創ります。最後にクッペルホリゾントは、ドーム形状をしているものをいいます。国内外を通して現在は、この形式を採用する劇場・ホールは少ないです。
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■クッペルホリゾントの特徴と課題
クッペルホリゾントは、鉄骨枠に漆喰仕上げや舞台の後壁を流用するなど永久的な固定構造物とであることが多いです。1/4の球体状をしており、舞台に向かって正面、側面、天井面の4面を覆うことができます。これによりウィングボーダー式の見切りのための一文字幕や袖幕の不自然な重なりを除くことができます。また、効果として通常の平面的なホリゾントに対して、10倍近い大きさの背景を眺めるのと同じ効果が得られるといわれています。
一方で、クッペルホリゾントの課題は、可動性がなく、出演者や舞台装置の出し入れ、吊物の昇降に支障を及ぼしてしまいます。最近では、テーマパークのアトラクション施設で、専用の映像を投射する程度で劇場としてはほとんど新設されていません。
■クッペルホリゾントの歴史
1860年代には欧州で正面のホリゾント以外に両側面にもホリゾントを吊込み、舞台3面を取囲む演出がされていました。これはルントホリゾントの原型といえ、1869年には、カールブランドによりルントホリゾントが完成されたと言われています。 また1906年 M.フォルチュニィがベルリン・クロルオペラでクッペルホリゾントを利用され、1912年ベルリン・ドイツオペラにはクレーン移動するクッペルホリゾントが設置されました。1913年ドレスデン新劇場にてA.リンネバッハがクッペルホリゾントの劇場形式を完成させました。
■日本への導入
日本へは、舞台演出として用いるクッペルホリゾントしては、1924年の築地小劇場が初めてと言われており、大規模で本格的なものとしは、1927年の大隈講堂が初めてでした。その後、幾つかの施設に設置されましたが、欧米での流れに追随するように、クッペルホリゾントを積極的に利用した演出・劇場は減っていきました。
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●[海外事例]
- ベルリン・シャルロッテンブルグ歌劇場(1912)
- ドレスデン演劇場(1913)
- ケルン博覧会劇場(H.バンドベルド設計1914)
- ハンブルグ・オペラ劇場(リンネバッハ改造1927)
- ベルリン大劇場(1919)
- ベルリン新国民劇場(1914)
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●[国内事例]
- 築地小劇場(1924)
- 朝日新聞社講堂(東京)
- 朝日会館(大阪)
- 大隈講堂(1927)
- 青山会館(1924)
- 名古屋市公会堂(1930)
- 静岡公会堂(1935)
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- 出典
- 図1〜2. 小泉嘉四郎、『劇場舞台設計計画』、1965年、近代建築社。
- 図3. George C.Izenour,"THEATER DESIGN",1977,Mcgraw-hill
- 図4. 『(最新)建築設計叢書』、1928年、建築資料研究会
(株式会社シアターワークショップ 小林徹也)
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高所作業と安全対策
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近年いろいろな劇場やイベントホールが増え、セミナーや展示会など多種多様な催し物が行われています。いろいろな業種の施工さんやスタッフにより複雑な美術セットを設営し、高所に照明装置や音響スピーカーを設置しています。それに伴い落下事故や死亡事故が増えています。
労働安全衛生規則によると高さ2メートル以上の箇所での作業が高所作業に該当します。
建設(安全衛生及び福祉)規則1996 では、すべての墜落を防止するよう求めており、2メートルを超えた高さでの労働については、墜落を防ぐためのガードレール(手摺りや囲い)や作業用足場(イントレ等)の使用するなどの墜落防止策が常にとられるべきだと考えられています。
"高所作業規則"では人が墜落しそうな高さに係わりなく、墜落が人の障害を引き起こすいかなる箇所においても墜落のリスクを防止するよう求めています。
高所作業における注意点としてつぎのことがあげられます。
- 安全帯、ヘルメットを着用する。(労働安全衛生規則により義務付けられている。)
- 携帯工具は必要最低限にする。
- 滑らない靴、手袋を着用する。
安全帯やヘルメットは自分の身体のサイズに合った物を使用しないと思わぬ落下事故やヘルメットを落とす二次災害になりかねません。
最近ではフルボディーハーネスを装着してルーフトラスやタワーに上る照明さんを見かけます。ハーネスとはロッククライミングなどで墜落落下の防止、安全の確保に使用されるスリングベルトを一体化した安全ベルトのことです。
事故全体の約60パーセントが2メートル未満の高さからの墜落・転落事故という事実もあります。
イントレやレイヤーの限らず、脚立や箱馬での作業の場合でも、事前に危険予測をすることと、注意深い安全対策が必要ではないのでしょうか。
(株式会社シアターサポート 佐々木 勉)
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