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No.145

デザインのワークショップに参加して

8月2日〜9日のうち7日間、第18回世田谷パブリックシアター舞台技術者養成講座・デザインのワークショップW 舞台美術のワークショップに参加しました。
参加者は15名であり、講師陣は舞台美術家の堀尾幸男氏、演出家の田中麻衣子氏、照明家の小笠原純氏、音響の市来邦比古氏、その他の多くの劇場スタッフで構成され、使用課題として、ブレヒト作「ソポクレスのアンティーゴネ」が与えられ、このテキストをもとにしたアイデアのプレゼンテーションから始め、最終的には実際に劇場で上演する作品の美術・照明・音響デザインを作り上げることを目標にスタートしました。


●1日目〜4日目:個人のアイデアのプレゼンテーション

1日目は、自己紹介と全員でお互いを知る為のワークショップ、堀尾氏の講義を受けました。そして、第1課題として「イメージを平面で表現する」を提示され、2日目から各自プレゼンテーションを行いました。講師の先生方は、一人一人の発表のある一節から大変貴重で面白い講義を度々展開していきます。課題は毎日提示されました。一晩試行錯誤し、次の日に自分の作品をプレゼンテーションをするという繰り返しでした。プレゼンを見ていて面白かったのは、結局、アイデアは最初の発想に行き着くという過程が皆同様に見受けられたことです。4日目は、模型を用いたプレゼンテーションを行いました。会場も雰囲気をつかむ為、劇場内へ移動し、模型に照明を当てながらイメージを表現しました。結果的に自分の作品をまとめることよりも、人に自分のアイデアや思いをいかに形で伝える事が出来るかということの難しさを教えられた、充実した4日間でした。

度々展開される講義を熱心に聴く参加者 個人のプレゼンテーションの様子

●5日目〜7日目:チーム製作、そして上演へ

5日目に、7名と8名の2チームに編成し、上演する作品の製作にかかりました。私のチームは8名でしたが、ほぼ1日で8人のアイデアを一つにまとめ、形を決定し、図面を起こし、必要な材料のリストアップを行いました。6日目に、製作(衣装も含め)、照明・音響との調整、ゲネプロを行いました。7日目に、美術の再調整を行い、もう一つのチームのゲネプロをし、無事に2チームとも上演することが出来ました。
チーム製作の中で、一番大変だったことはやはり一つの形に決定する事で、限られた時間の中で特に多くの労力を掛けたと感じています。決定に至るまで、舞台を使って試したり、模型を用いて位置関係を確認したり、行き詰まった時には先生にアドバイスを頂くなど様々な経緯がありました。

グループディスカッション 模型にて検討の様子 舞台上で実験を行う様子
製作の様子 衣裳製作の様子 大道具さんとの協議の様子
劇場スタッフによる仕込み 自分たちのチームの仕込み もう1チームの仕込み

●作品製作を終えて

  • 演劇の舞台美術は具体的であることが大切である
  • 作品を斬新に作ろうとすると、かえってどこにでもあるようなものになる
  • 斬新さは実現させようとするとついてくるものである
  • 音響はデザインという概念の勉強で、照明は技術(劇場)の勉強である
以上のことが得られました。

上演の様子 上演の様子

●ワークショップに参加して

今回のワークショップの対象は、舞台美術・舞台照明・舞台音響のデザイナー、演出家、舞台監督を志す人でした。その為、ワークショップの目的は、これからプロを目指す若手の方々の活動の場が広がること、またこれらの方々にとっての教育の場となることでした。
今後、弊社がお手伝いさせていただいている劇場・ホールでも舞台美術に限らず様々なワークショップを企画していきたいと思います。そして、はじめから多くの参加者が期待できなくとも最初に参加した人が、次にはスタッフとして大きな存在になっていくような、人材育成の仕掛け作りが必要であると思います。
世田谷パブリックシアター及びスタッフの皆さまには、大変貴重な体験をさせていただき心からお礼を申し上げます。



(株式会社シアターワークショップ 稲村悠)

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No.146

技術躍進の光と影

人類が月に降り立ってから38年、宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルへ旅立つまで192年。
現実と空想の狭間、2007年からこんにちは。

さてさて、日々技術は進歩しその恩恵を我々は浴しています。人や物・情報の大量かつ高速な移動が可能になり、ベタな言葉を使えば「地球は狭くなった」と言えるだろう。
ここ10年間でインターネットの通信速度は1562倍(ISDNと光を比較)になり、新幹線は時速20キロも早くなり、旅客機に至っては時速にして594キロも早くなり、航続距離は3500キロも延びた。たった10年でこれだけの技術が進んでいる。

それに引き換え、我々の直接の祖先と言われる新人(ホモサピエンス)がこの地球上に現れたのが約3万年前。遥か昔に思える江戸時代だってたかだか400年前、人類の歴史からしてみれば僅か100分の1の時間にしか過ぎない。
その頃から人間の能力はどれだけ向上したと言うのだろうか?

東京の机の前に座っていながら世界中の情報を一瞬にして入手出来、明日にはニューヨークにいる事だって出来る。
これは凄い事であり、便利だと思う。
しかしただ「凄い」と言う認識、「便利だ」と言う感覚だけで受け流して良いのだろうか?

いつの時代が人間にとって最適かどうかは分からない。過労で人が死に、生涯で7人に1人は鬱病にかかる。
それが人間にとって最適な時代なのだろうか?
それとも人類の更なる進化へ向けての選別なのだろうか?

信じられない速度で回り続けるこの世界で、我々は走っているのか?
それとも走らされているのか?
少し立ち止まって考える、そんなゆとり位は忘れたくないものだ。



(株式会社シアターサポート 黒田晋平)

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